誰かの正解と、私たちの答え。
子どもが生まれたら、
しばらくは家で子育てをするもの。
そんなイメージを持っている人は、多いのかもしれない。
私は産後すぐに仕事へ復帰した。
会社は少人数で、自分にしかできない仕事もある。
そして何より、私は仕事が好きだった。
だから息子が7か月になった頃、週3回だけ保育園へ通うことにした。
すると、こんな言葉を耳にすることがあった。
「そんなに早く預けるの?」
「0歳で保育園なんて、かわいそう。」

悪気はなかったと思う。
でも、その言葉を聞くたびに、
「母親は家で育児をするもの」という見えない正解が、どこかにあるような気がした。
母親だけが、私じゃない。
もちろん、子どもは大切。
でも私は、母親になる前から仕事が好きだった。
仕事をしている時間の私は、
誰かの役に立てることが嬉しくて、
夢中になれる自分が好きだった。
母親になったからといって、
その私がいなくなるわけじゃない。

私は母親であり、
一人の女性でもあり、
社会人でもある。
その全部が、私なんだと思う。
もちろん、その時々で優先順位は変わる。
子どもが熱を出したら仕事より子ども。
仕事で大切な場面なら、家族に助けてもらうこともある。
全部を同じように大切にすることは、きっとできない。
だから、その時々で優先順位は変わる。
でも、一つの役割だけで生きようとすると、
どこかで自分が苦しくなってしまう。
母親だから仕事を我慢しなきゃ。
仕事をしているから育児が足りない。
そんなふうに、自分をどちらか一方に押し込める必要はないんじゃないかと思う。
子どもが教えてくれたこと。
保育園へ通い始めるまでは、
少しだけ不安もあった。
でも実際には、息子は先生に笑いかけ、お友達と過ごし、新しい世界を知っていった。
私は仕事をすることで心に余裕が生まれ、
その余裕を家族にも向けられるようになった。
保育園に預けることは、「育児を手放すこと」ではなかった。
誰かに育ててもらうのではなく、
一緒に育ててもらっている。
私は今、そんなふうに感じている。

「母親らしい」より、「私たちらしい」
家で子育てをすることも素敵。
仕事をしながら子育てをすることも素敵。
どちらが正しいかじゃない。
それぞれの家族に、それぞれの答えがある。
大切なのは、「母親らしい」を選ぶことではなく、
自分たち家族にとって心地いい選択をすることなんだと思う。
私はこれからも、
「母親らしく」ではなく、
私らしく。
誰かが決めた正解ではなく、
私たち家族にとっての答えを、その時々で選んでいきたい。
それが、私たちらしい子育てなのだと思う。
